人工甘味料「アスパルテーム」の歴史と有害性

2023年6月、世界保健機関(WHO)の一部門である国際がん研究機関(IARC)が、人工甘味料のアスパルテームを「ヒトに対する発がん性を持つ可能性リスト」に掲載される見込みと報道された。

アスパルテームについて知ろう

健康意識が高く、スーパーで食品を買う際は成分表示を必ずチェックしている人は、「アスパルテーム」「アセスルファムK」「スクラロース」などの人工甘味料の文字を見た瞬間、商品を棚に戻すことだろう。それくらい、これらの食品添加物には拒否反応が強い。

随分前から、人工甘味料が体に有害であることは問題になっていたが、WHOの発表により人工甘味料は「公式に」体に有害であることが認められるということになる。

この記事では、「アスパルテーム」とはどのようなもので、どういう経緯で人工甘味料として世界中で使われるようになったのか? これらについて詳しくまとめたいと思う。

アメリカの製薬会社サール社が開発(後にファイザー社が買収)

アスパルテーム製品は、アメリカの製薬会社「G.D.サール」が開発した人工甘味料である。

1973年、サール社はアメリカ食品医薬品局(FDA)に認可を求めたが、科学者たちが「アスパルテームはさまざまな神経障害を引き起こす可能性がある」と主張し、認可されなかった。

1981年、ロナルド・レーガンがアメリカ大統領に就任し、風向きが変わる。政治家のドナルド・ラムズフェルドがサール社のCEOに迎えられ、ロビー活動によってアスパルテームを認可させることに成功したのである。

Wikipediaによると、ラムズフェルド氏は、のちにインフルエンザ特効薬として日本でも問題となったタミフルを開発。さらに鳥インフルエンザ問題で巨額の富を築いたとCNNが報じたそうだ。

ラットを使った研究結果で、アスパルテームの有害性が明らかに

1990年代、科学者たちはアスパルテーム安全性について懸念を示し始める。ある神経科医は「アスパルテームが人の脳腫瘍を引き起こす一因となる可能性がある」と論文を発表した。当のFDAの毒物学者もアスパルテームの発がん性について懸念を示した。

1997年、イタリアの非営利研究機関であるラマッツィーニ研究所がラットを使った研究を開始した。その結果、アスパルテームを摂取したラットは、腎臓、乳房、神経系を含む複数の臓器で悪性 腫瘍のレベルが高かったそうだ。これらの結果は、アメリカやヨーロッパの当局がアスパルテームの一日摂取許容量とみなす量と同程度の暴露量であった。

アスパルテームは「利権」によって広まった

前述のラマッツィーニ研究所の調査結果は、アスパルテームに有害性があることを決定づける内容だったにも関わらず、現在は世界的に人工甘味料として広がっている。これはなぜか?

答えは「利権」である。ラマッツィーニ研究所の調査結果に反対した科学者の多くは、アスパルテームの消費によって利益を得る業界団体から資金提供を受けていたことが分かっている。

アスパルテームは、あなたの目の前にも存在している……

アスパルテームなどの人工甘味料は、実に多くの食品に含まれている。私は常に食品の成分表示を確認しているからよく分かるのだが、菓子、清涼飲料水、レトルト食品、さまざまな低カロリー・ノンシュガーを謳う商品に多用されている。「えっ、こんなところにもアスパルテーム?」と驚くほどである。

以前、「経口補水液」系の商品の成分を見たら、人工甘味料やその他の添加物がどっさり入っていて驚愕した。こんな人工甘味料の塊のような液体が汗の代わりになるとは到底思えない。なるわけがない。こんなことは、研究や論文がなくても、「直感」で判断できることだ。「TVCMでやっているから安心」「大手メーカーが作っているから安心」などとは間違っても思ってはいけない。

良いものか、悪いものかを判断する基準は?

アスパルテームは本当に有害なのだろうか? 実際に、アスパルテームは許容量を守れば害はないと指摘する意見もある。

マスクにしても、ワクチンにしても、必ず「賛成派」「反対派」に分かれる。このようなとき、私たちはどのように「良い」「悪い」の判断をすれば良いのだろうか?

それは、この記事にあるように、アスパルテームがどのような目的で誕生したかにヒントがあるように思う。ようするに、「莫大な富を得るために製造されたもの」は注意しなければいけないということである。

アスパルテームがロビー活動によって採用されたということは、「儲かるから」であって、「消費者の健康が守られるから」では決してないことは分かるだろう。

なお、サール社は現在は存在しておらず、2003年に(コロナワクチンで一躍有名になった)ファイザー社に買収されている。

まとめ

いずれにせよ、「人工甘味料、食塩(食卓塩)、白砂糖、果糖ぶどう糖液糖、たんぱく加水分解物」など、健康意識が高い人が注意しているものは避けたほうが懸命だろう。理由は簡単で、それらは「不自然」であり、「わざわざ摂取する必要がないものだから」である。

アスパルテームだけでも、これだけ健康に悪影響を及ぼす可能性を指摘されているのである。それ以外にも私たちは数多くの食品添加物を摂取している。1回摂取しただけで体調不良になることはまずないだろうが、積み重なれば、やがて病気になる可能性があるということだ。

毎日何十種類もの食品添加物や人工甘味料を、10年、20年と継続的に摂取し続けたら……いずれ体になんらかの悪影響が起きると考えるほうが自然だろう。健康についてあまり考えたことがない人は、この機会に食生活から見直してみてはいかがだろうか。

参考リンク

WHOはアスパルテームが癌を引き起こすと宣言しようとしている。あなたが耳を傾けるべき理由がここにある。(Vox)
Why WHO’s statement on cancer and aspartame — yes, the stuff in Diet Coke — is worth hearing out – Vox

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サト
こんにちは、「森の仲間」のサトです。自営業のかたわら、植物エキスのメーカー「アイ・ジャパン (岐阜県可児市)」にて約10年修行を積み、2025年から独立することになりました。

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現在、長野に移住するか、岐阜と長野の二拠点生活にするかを検討中。

(プロフィール更新:2024/09/30)