ソロキャンプを始めたキッカケ
2021年は激動の年だった。当時、私は身も心も疲れ果ててしまっていたので、「来年からはのんびり仕事をしよう」と決めた。(だから今も週3日かしか営業していないのである)
2021年12月。仕事で知り合った同い年の社長さんと飲んでいたら、「最近、バンライフというのが流行っているらしいですよ。のんびりするなら、やってみたらどうですか?」と言われる。バンライフとは、「車のバンで車中泊をしながら旅をする生き方」のようだ。昔から旅をしたい気持ちはぼんやりとあったが、現実的にはできっこないだろうと思っていた。でも、今は若くても旅をしている人がたくさんいる。だったら自分にもできるかもしれない。
ただ、あいにく私の愛車はバンではなく、車中泊に向かないタイプである。一応、車中泊ができるか試したことがあるが、後部座席がフラットにならないため、とてもじゃないが眠れなかった。この車で車中泊を繰り返していたら、首と背中と腰がバキバキになって体調を崩してしまうだろう……。そんな旅は勘弁願いたい。
「車中泊は無理。では、キャンプをしながら旅をするのはどうだろう?」
キャンプ道具さえ揃えれば、全国のキャンプ場を転々としながら旅ができそうだ。実際にはそんな甘いものじゃないかもしれないけど、まずはやってみなければ始まらない。考えれば考えるほど、ワクワクしてきた。
2022年1月。私は「キャンプ旅」の準備を始めた。手始めに、近所の書店でキャンプ用品のムックを1冊購入。あとはネットでキャンプ情報を調べまくった。YouTubeの動画も見まくった。
そして、少しずつソロキャンプに必要な道具を揃えていった。余計なものを買いすぎず、最低限必要なものだけ購入した。新しく趣味を始める時は、道具を揃えすぎないほうが良いことを、過去の経験から学んでいる。キャンプを繰り返していたら、自分の中で必要なもの不要なものが自然と分かってくるはずなのだ。
ソロキャンプを始める時に揃えたキャンプ用品リスト
テント
当時流行っていたのか、ソロキャンプを始めるならワンポールタイプがおすすめという記事が多かったので、購入した。 今だったら、最初にワンポールテントは買わないと思う。
ワンポールテントは設営が意外と面倒だし、TC素材は機能性は高いけど重いし、日光をそれなりに通すから、朝日で目が覚めてしまうからだ。
その後、遮光性の高いドームテントを購入したが、ペグを打たなくても自立するから、設営がとても簡単だった。これからソロキャンプを始めるなら、ドームテントがおすすめ。
グランドシート
ワンポールテントにグランドシートが付属していなかったので購入。テントのサイズより一回り小さいサイズを選ぼう。
寝袋
夏場以外は、寝袋は必須。地域にもよるが、春や秋の夜は、冬並みに冷え込むのだ。
私はコールマンの4シーズン対応の寝袋を購入した。暖かくて寝心地も良いのだけど、とんでもなくかさばる。価格が安いから仕方がない。
キャンプマット
グランドシートだけだと、地面がゴツゴツして背中が痛くなるため、キャンプマットは必須。テントの中は膝立ちで動くことがあるのだが、キャンプマットがないと、膝が石に当たって痛くなる。
人
寝袋(寒さ対策)
キャンプマット(クッション)
グランドシート(虫や水濡れ対策)
地面
こういう順番に置くことになる。
ペグハンマー
初めてのソロキャンプ直前に「ペグハンマーがないと、ペグが打てないのでは?」と思い、慌てて購入。今思うと、その辺の石ころでペグを打てば良いのだが、最初は分からなかったのだ。ただ、ペグを打ち込むのは簡単だが、ペグを抜くのは案外大変だ。ペグハンマーを買うなら、「ペグ抜き」がついているものを選ぼう。
LEDランタン
我が家では電池は「エネループ」に統一している。ジェントスのLEDランタンは単三、単四電池に対応したものがあり、明るさが十分な単三電池タイプを選んだ。
白色LEDは目が潰れそうで嫌いだが、暖色LEDは目がそれほど疲れない。ジェントスのLEDは何十回も使っているが、「この光、苦手だな」と感じたことはない。
チェア
コールマンの超定番モデルを購入した。定番には定番の理由があって、その見た目からは想像がつかないくらい、座りやすい。見た目は固そうな感じなのに、座ってみると程よい硬さで、何時間も座っていられる。
背もたれのバーは、背骨が当たらないように工夫されているし、とにかく使いやすい。気に入りすぎて、友人とキャンプに行く際にもう1脚購入した。
テーブル
メッシュタイプのスチールテーブルを購入。メッシュタイプだと、水をこぼしても平気だし、食器をひっくり返して置けば勝手に乾くし、スチールだから雨が降っても平気だし、とにかく便利。
焚き火台
焚き火台は良いものを買っておきたいと思い、これも定番のスノーピークの焚き火台を購入。何回使っても壊れそうにないくらい頑丈だし見た目も良いのだが、Sサイズは少々小さく、薪がはみ出る。薪を切るのは面倒なので、気にせずはみ出たまま焚き火をしているが、Mサイズにすれば良かった。今だったら、他のメーカーの焚き火台を購入するだろう。最初に買うなら、扱いやすい「薪を寝かせて置けるタイプ」が良いと思う。
ガスバーナー
SOTOのガスバーナーを購入。私は面倒くさがり屋なので、最初のうちは「薪に火をつけるのは面倒だ。直接ガスバーナーで火をつけたらいいじゃないか」と考えていた。たしかに火はつくのだが、長いことバーナーを当てないといけないので、実は効率が悪いのであった。
今は着火剤としてヒバのチップや杉葉、松ぼっくりを常備しており、小さめの薪、大きめの薪の順で火を大きくしている。
ウォータージャグ
私はお酒が好きなので、酔いすぎないために水を多めに飲むようにしている。だからジャグも大きめの10リットルのものを選んだ……が、キャプテンスタッグのウォータージャグは水漏れするので、置きっぱなしにできないため使いづらかった。その後、袋タイプのジャグを購入して、こっちのジャグは天然水を汲むタンクとして愛用している。
持って行ったほうが良いもの
ティッシュ、ゴミ袋は必須。キッチンペーパーはあると便利。あまり料理をしない人は、洗剤すら不要。キッチンペーパーで汚れだけ拭き取って、あとは帰ってから洗えば良いのだ。
急いで買わなくても良いもの
最初のうちは、普段使っている調理器具や食器を持っていけばいい。割り箸と紙皿でもまったく問題ない。新聞紙で包めば、陶器やガラス製でもほぼ割れることはないから、お気に入りの食器やコップを持っていくのも良いだろう。
いざ、ソロキャンプ……の練習へ!
インドアで、アウトドアの趣味は皆無。運動神経が悪く、家具などを組み立てるのが苦手。そんな私が、いきなりキャンプ場でテントを設営できるだろうか? 否である。まずはどこかで練習をしたい。
2022年3月。同級生の土地でキャンプの練習をさせてもらうことにした。
同級生の土地を使わせてもらいました。
初めて一人でテントを張ってみたが、案の定、失敗しまくった。ワンポールテントは四隅にペグを打つのだが、ペグの位置がテントから遠すぎるとポールが立たなくなるし、ペグの位置が近すぎるとたるんでしまう。だから、最初にグランドシートを敷いて、シートからペグまでの距離を覚えておくと設営しやすくなる。私の場合、シートの四隅から20cmくらいの場所にペグを打つと、きれいに設営できる。
2022年3月。記念すべき「初ソロキャンプ」の練習風景。
画像補正で誤魔化しているが、実際はかなりとっ散らかっている。
テントの設営が無事に終わり、椅子とテーブルを置いて、ビールを飲む。うまい! スーパーで買ったお惣菜をつまみ、焚き火を始めて、鶏もも肉に岩塩と胡椒を振り、直火で焼く。おいしい! 夜は冷えるのだが、焚き火の遠赤外線効果か体の芯まで温まっており、意外と寒く感じない。寝袋はオールシーズンのものを選んだので、夜はよく眠れた。
「スノーピークの焚き火台 S」
デザインは最高なんだけど、ちと小さい。
Mサイズにすれば良かったと悔やまれる。
毎月、キャンプ旅をしよう!
これなら一人でキャンプ場に行けそうだ。自信がついた私は、「毎月、必ずキャンプ旅をするぞ!」と心に決めたのであった。
こうして私のソロキャンプ人生が始まった。
ちなみに、2023年7月現在の累計宿泊数は、30泊くらい。そろそろキャンプ中級者と名乗っても良いだろうか。たくさん失敗をしたが、それ以上に楽しいことが多かった。
キャンプ旅をすると、心が満たされ、幸せになる。「フィトンチッド講座」の連載で書いているように、森林のフィトンチッドを吸うことで、人は元気になり、健康になる。おかげでここ数年、一度も風邪を引いていない。
植物エキスのメーカーに関わっている人がキャンプ旅をしていると、少し安心してもらえるのではないかと思う。また、キャンプ旅があまりにも素晴らしかったので、キャンプ旅の良さ、自然の素晴らしさを伝えていけたら幸いである。